効果的な教育現場でのサンプリング

幼稚園に送りつけられた、幼児(母親)向け教育冊子(+商品見本)を、園長先生に見せていただいたことがあります。企業からの依頼で、発送元は広告代理店のようです。園長先生によると、園児数の2倍くらい、段ボール箱に詰めてドーンと送りつけられたもので、配ることもできないし、かといって捨てるにもお金がかかるのでとても困っているとのことでした。

お願い状には、「園児の健康に気を配るお母さん方にとって喜ばれる情報が満載」であること、全員にぜひ配布してほしいこと、足りない場合追加でお送りすることなどが書かれていて、“サンプリング”という言葉が何回も出てきたことに違和感を覚えたと言います。大切な子どもたちを預かる幼稚園が、企業の宣伝に利用されたのでは怒るのも当然のことです。

そもそも、教育現場に“サンプリング”という言葉はありません。企業側からは、“サンプリングのお願い”なのかもしれませんが、そこを工夫することが必要です。例えば、サンプリングを “プレゼント”と言い換えたらいかがでしょう。同じことなのですが、これなら違和感はぐっと少なくなります。このような工夫をすることが、教育現場への情報発信を成功させる秘訣です。

“サンプリング商品は無料です!”と、勝手に送りつけたものが配ってもらえるほど教育現場は甘くありません。ところが、同じ内容であっても、例えば「入園のお祝いとしてプレゼントです!」とし、配布の可否を確認してからお届けしたなら、高い確率で配布していただけるでしょう。また、次回からも協力を得られることでしょう。

プラスエムが関わる“サンプリング”は、幼稚園や学校の事情よく理解したうえで、教育現場に最も歓迎される方法で実施します。サンプリングを含む企業の情報発信は、1回だけ成功すればよいというものではないはずです。取り組みの一つひとつから、深い信頼関係を築くことが大切です。そうすれば次回からも必ず協力が得られます。

圧倒的に数が多い私立幼稚園では、公立幼稚園のように園長先生の転勤がありません。一度信頼関係が結ばれれば、長期間継続されます。また、私立幼稚園の場合、地域に絶大な影響力を持つ有力園長先生が存在するケースが多くあります。

プラスエムでは、そうした有力園長との太いパイプを持っていますので、幼稚園を巻き込む必要がある案件では、各地の有力園長に企画の段階から相談します。自分の意見が多少なりとも反映された取組であれば、協力せざるを得ないという状況を作るのです。そうすることが、単発に終わることなく、さまざまな事案を成功させる秘訣と考えるからです。


トップに戻る