大阪・関西万博で高校生が探究活動の成果を発表!『未来探究』気候と健康を見つめるプログラム

2025年9月16日、大阪・関西万博英国パビリオンにて、灘高等学校、雲雀丘学園高等学校の1~2年生計24名が、『未来探究』気候と健康を見つめるプログラムにおける探究活動の成果を世界に発信しました。

本プログラムは、アストラゼネカ株式会社、一般社団法人みどりのドクターズによる共催、学校法人灘育英会 灘中学校・高等学校、学校法人雲雀丘学園、特定非営利活動法人気象キャスターネットワークの協力のもと実現しました。生徒たちは、約4カ月間にわたり、「健康でいのち輝く未来社会をともにつくるために」をテーマに探究活動を実施。その集大成として浅尾慶一郎環境大臣をはじめ、駐日英国大使、環境省、厚生労働省、国立環境研究所、世界保健機構(WHO)など錚々たる顔ぶれの前で発表を行いました。

生徒たちは、2025年5月10日に行われたワークショップで気候変動がもたらす健康への影響を学び、調べた事実とそれぞれの想いもとに問いをたてることからスタート。「気候変動と健康」という大きな問題に対して社会はどう在るべきか、自分たちには何ができるのかを真剣に考え抜き、アンケート調査やフィールドワーク、企業や研究者へのヒアリングやディスカッションを通して、社会への提案(提言)を形にしていきました。プラスエムは、本プログラムの企画運営や生徒のアシスタントとして高校生とともに探究を進める立場を努めました。

大阪・関西万博での発表の様子
ワークショップの様子

灘高等学校Aチーム:
消費行動で命を救う

中小企業の約8割が環境貢献に取り組めていないという事実に対し、その要因の分析と環境貢献に取り組む大企業への調査から、環境貢献の金銭価値化の必要性を説いた。環境に取り組んだ企業ほど消費者から支持される社会を実現するため、環境貢献によるCO₂削減量に応じて、救えた命を数値化する指標の導入など複数施策を提案した。

灘高等学校Bチーム:
海洋レジリエントシティ構想 ~もうひとつの二酸化炭素問題~

気候変動による海洋酸性化が、創薬や人間の栄養にも悪影響を及ぼすと分析し、地域ごとの対策を可能とする海洋版環境モデル都市「海洋レジリエントシティ」の制定を提案。海藻バイオプラスチック促進、市民参加型の藻場植え付け、アクアポニックスを応用した食糧自給の仕組みなど具体的な取り組みを提示した。

灘高等学校Cチーム:気候変動と健康 ~アパレル産業の調査から~
クローゼットにある服の大半は着ていない服だという身近な気づきからアパレル産業について調べ、その廃棄率の高さに着目。廃棄からリユースへと消費者の意識変容を促すために、環境負荷を可視化できるタグの導入、服のシェア履歴とCO₂削減量を可視化できる服のシェアスペースの常設を提案。環境に配慮しながら服を楽しむ”人間と地球のWin-Win”の実現を訴えた。

灘高等学校Dチーム:
アパレル業界における、持続可能な循環型社会の構築に向けて

大量生産・消費というアパレル業界の構造において、リサイクル率の低さに着目。リサイクル率が10%上昇すると約63万トンのCO₂削減効果があると試算し、服の分別リサイクルがあたりまえの社会を目指すため、新リサイクルボックスの設置を提案。同時にリサイクル製品の市場普及のため、ネックとなる価格差に対して炭素税や値差支援策などの経済支援策も提示した。

雲雀丘学園チーム:
ブルーカーボンで解決する気候変動と健康被害
どの海藻が最もCO₂を吸収するのかというデータが少ないことから、海藻9種類のCO₂吸収シミュレーションを自作し、特にアマモの持続的な吸収力に着目した。このアマモを活用したミクロな環境対策として、アマモ育成ワークショップを実施し環境への意識を醸成し、マクロな対策として、ブルーカーボン特区の設置、ブルーカーボンクレジット制度の導入を提案した。

本プログラムの満足度を教えてください。

本プログラムの感想を教えてください。(一部抜粋)

4か月の間じっくりとアシスタントの方ともたくさんお話して意見を深められてよかったです。

今回のプログラムを通じて、学校の授業では得られない実践的な学びを経験できました。特に、他校の生徒や専門家の方々の発表やアドバイス、交流を通じて多様な視点に触れ、自分たちの研究や発表を深めることができたのは大きな収穫でした。

チーム作業ならではの喜びやトラブルも経験しました。さらに、多くの大人の方に支えていただき、マナーをはじめ、多くのことを学ばせていただきました

自分たちで考えた案を、普段の身近な友達や先生だけでなく、環境省などの影響力のある人たちに発表し、思いを伝えることができるというのがやりがいにつながりました

万博で発表するという貴重な経験ができ、本当に楽しかったです。ありがとうございました。

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